6月の夕方の散歩。

雨上がりの空は、心まで軽くしてくれます。
世界中が毎日、雨上がりの空を迎えられるのなら、戦争は少し減るのかもしれません。

僕は、6月の平日の夕方の散歩が好きです。
どこからか夏の匂いがして、草がうっそうと茂りながらも、甘くやわらかい。
一年で最も陽射しが強い季節なのに、雨でそれが穏やかになり、青空は心を軽くしてくれます。

本当は、こんな美しい景色を、誰もが好きなんだと思います。
特別じゃなくていいんです。
5月に行ったドーハには、ドーハならではの美しい景色がありました。
砂漠と海を、太陽と風が包み込んで、人は悠久の時の流れをただ眺める。
その中に、彼らは幸せを見つけています。
きっと、ロサンゼルスにはロサンゼルスの美しい景色があるでしょう。
クアラルンプールにはクアラルンプールの…
上海には上海の…
ウランバートルにはウランバートルの…
知多には知多の…
世界のどこに行っても、そこは世界の中心です。

誰もが世界の中心で、何かを伝えようとしています。
人は一生の間に、どれだけのことを伝えることができるのでしょうか。
言葉ではなくても、しぐさや表情や視線、それらすべてがメッセージです。

6月の夕方の風はしっとりとしていて、やわらかい。
いつもの小道を通り抜ければ、少年の頃にタイムスリップしてしまいそうです。






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