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『桑田判事』正義の味方のつくり方⑧~いつか、4歳の晴斗くんに話したいこと~

『桑田判事』正義の味方のつくり方⑧~いつか、4歳の晴斗くんに話したいこと~
「少年をよく眺めてください。
裁判所に悩む人が居なくなれば裁判所は冷たい箱になってしまいます。」


「私達が少年に対してできることは、小さなことです。だけど小ささを恥じて、それをしまい込む人が多過ぎるんです」


『家栽の人』という、家庭裁判所を舞台にした少年との物語があります。
主人公は、桑田判事。
父親は最高裁の判事を務めたほどのサラブレッドです。
自身もエリートコースをを進めるほどの実力を持ちながらも、あえて地方の家庭裁判所をめぐり歩きます。
彼は、自分の出世よりも、少年ひとりひとりの生き方を共に見つめるために裁判官になりました。


裁判所の一室で花を飾ったり、休憩時間には庭で植物を育てたり…
最初は、他の裁判官は桑田判事を怪訝に思います。
「きっと、仕事の出来ないダメな裁判官なんだろうね」
花いじりに精を出してばかりの彼は、受け入れられません。
しかし、少しずつ皆が、彼の変わらぬ姿に共感し始めていきます。


桑田判事がいると、その場だけが時間がゆっくりと流れるようです。
彼には、11歳の息子もいます。
息子は、不登校児でした。
「お父さんはね、マモルが何をしてもマモルの味方なんだよ」
「パパは立派だから、そんなことが言えるんだ。」
「いや、そうじゃないよ。例えばここの家の庭には、桑の実がある。
盗んでみようか。」
「そんなことをしたら、パパ捕まっちゃうかもしれないよ。」
「スキャンダルになるかな?
パパ、すっごく怖いよ。こんな小さなことなのに、すごくおびえている。」

マモルくんは、お父さんの姿を通して、完璧な人はいないと学びます。
だから、人を許せるし、自分を許せるし、許すことは愛することだと学びます。
この小さな行の中には、父親として、全力で子供の心を守ろうとする愛が込められています。


最後に、最後まで桑田判事の天敵であった上役が、若手判時につぶやきます。

「すごいよ。」
「えっ?」
「あいつはすごいよ。
あいつは、自分のためには嘘をつかないけど、人のためには平然と嘘をつく。
嘘をつかれた相手は、それを受け止めて心が変わる。
すると、その嘘が本当に、変わっていくんだ。」


桑田判事は、正義の味方です。
桑田判事は、すべてを許しています。
許された者は、人を許す者に変わっていくのです。


PS
いつか大人になる君へ。
何があっても、許すつもりだよ。
でも、時には命懸けで怒ろうと思うよ。