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『サラリーマン』正義の味方のつくり方⑤~いつか、4歳の晴斗くんに話したいこと~

『サラリーマン』正義の味方のつくり方⑤~いつか、4歳の晴斗くんに話したいこと~
夢には夢の、国には国の、それぞれの持ち味があります。
資源もない。
土地も狭い。
海に囲まれ、異国との交流も乏しかった。

にっぽんの資源は、人材です。
小さい国の、小さい身体の人間だからこそ、内なるものを大切にし続けました。
余談ですが、馬でも体が小さい種ほど、生命力が高いと言います。
それは、小さいながらでも生き残るための能力が宿るからです。
動物がそうであるように、人間も同じことが言えるかもしれません。


日本人には、特殊な力があります。
何もないところから生み出す力、勤勉さや真面目さ。
繊細さ。
仲間を想いやる和の心。


そして、最大の強みは「弱さ」かも知れません。
弱さを知る者は、弱さを許すことができます。
それは、裁かないということです。
許すことは、愛そのものでもあります。


余談ですが、僕の父親はサラリーマンでした。
子どもの頃の父への印象は、弱い人間で、思ったことを口にあまりしません。
情けないと想うことも、たまにはありました。
でもだからこそ、父は人を許すことができました。
人間を許していました。
僕は、そういう弱い父親を、今では尊敬しています。
「人間だもの…」
それが、僕が父親から受け継いだ教育の一つです。
弱さを知る人は、本当は最も強いのかもしれません。


サラリーマンは、正義の味方です。
家庭を守り、日本の産業を守ります。
個人の夢よりも、家族や企業を守るため、日本と世界の経済を守るために今日も働きます。
何が楽しくて、上司のつまらない会話に合わせるんですか。
何が悲しくて、通勤列車に揺られて今日も戦場に向かうんですか。


すべては、大切なものを守るためです。

正義のマントや、秘密の魔法はありませんが、
足を棒のようにして、今日もどこかで駆け回っています。


PS
いつか大人になる君へ
君の欲しがっている自転車を買いたいから、
よし、今月はビールをがまんするよ。