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小さいということ

小さいということ
小さいということは、大きいということの対義語ではありません。
白の対義語が、黒では無いように、緑色の対義語が無いように。
それは、それぞれが単独でも存在している個性としての言葉です。

「小」という字は、左右の点は両手を意味します。
つまり、手に届くものという意味です。
手に届くものを抱くように大切にするという、そんな意味も含まれているように思えます。
私たちは、いつのまにか手に届かないものを欲しがってしまう。
あの山の向こうには、きっと何か幸せがあるのかと思い、遠くを望むのだけど、今を楽しめない。
メーテルリンクの「幸せの青い鳥」のように、本当の幸せは、最も身近なところに在るのかもしれない。

「大」という字は、人が両手と両足を伸ばしている様です。
それは、向上心の表れでもあるし、今以上を求めている姿でもあります。
「小」も「大」も、どちらも素晴らしい。

僕は「小澤」ですから、自分では「小」が好きです。
手に届く中での、ささやかでも確かな幸せ。
「澤」という字は、水にまつわる4つの幸せを表します。
水は、潤すということ。
水は、清める(流す)ということ。
水は、溶かすということ。
水は、伝えるということ。

幸せは、きっと今ここに既に、小さい灯りとしていつも瞬いています。
それに気付けない時もあるでしょう。
その時は、それで良いのです。
きっと何かを手を伸ばしてがんばっているように、それもまた、尊いことです。
自分を見失う時間があるように、その代わりに走る風の景色を望むこともできるように。
ふっと、そんな時に小さいことの大切さを思い返すことができたのなら、次の一歩が力強くなるはずです。









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