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純粋体験

純粋体験
愛と勇と美。
僕が20歳の頃から心に抱いていたのは、この3つの文字です。
それは、愛であるか?
それは、勇しいか?
それは、美しいか?

美しさは、人によって感じ方が違います。
時代とともに、美しい人の観念は変わりますし、国や地域によって美しさの定義は違います。
平安時代は、ふっくらと裕福で眉の薄い女性が美人でした。
室町時代は、顔が白くて波が黒い女性が美人です。
僕が行ったカタールでは、女性は顔を男性に見せない分、目のお洒落への執着はすさまじいものがありました。
日本人にはブランド品が美しいと見えますが、イスラムでは祈りという行為そのものが美しいものです。

普遍的な「美」。
僕は、それは、純粋体験の中に在ると思います。
純粋体験とは、純粋な想いで行う行動の中に生まれる体験のことです。
例えば、見返りを求めずに一心に誰かの役に立とうとする行為です。
例えば、仕事でも一心に取り組んで役目を全うした時、心からこみあげる感動があります。
芸術や美術は、それが効率的でないにもかかわらず、人が一心に取り組む行為が美しいのです。
作品がもともと美しいのではないのです。
美を追求するという、作者の純粋な想いが込められているから、作品が輝くのです。

誰でも、一生の中で一度は、一心に何かに焦がれることがあります。
その瞬間の中に、美しさがあります。
純粋体験の中で生きていると、目に映るすべてのものが、美しく映ります。

純粋に生きている人は、そのままで、あるがままで、わがままで、美しい。





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