桜

あなたはもう、今年の桜を鑑賞しましたか？
朝と昼と夜とでは、桜は表情が違って見えます。
どの桜を好むかは、あなたの想い出の中の桜が、その表情のままに心で咲いているからかもしれません。

桜は、この春の短い期間だけを謳歌する花です。
その一瞬だけのために、日本人は至る所に桜の木を植えています。
そしてそれを、祭っています。
そこに私は、一瞬を愛することができる日本人の感性の豊かさを見ます。
そんな感覚を持つ人に、ほれぼれします。

桜の語源は、大きく2つあるそうです。
1つは、「此花咲耶姫(このはなさくやひめ)」から来たという説です。
彼女が霞に乗って富士山の上空で、蒔いた花の種が「桜」だったといいます。
2つ目は、「さ」と「くら」を合わせるという説です。
「さ」とは、農耕の神を意味し、「くら」は、その神の居場所を意味するそうです。
桜は、神が依りいる花という意味です。

2つの話に通じるのは、桜に神秘的なものを見とっていたことです。
桜の花がなぜピンクなのか？
それは、流れる樹液がピンクだからだと、子供の頃に教わりました。

人は、桜を愛することができます。
それはきっと、見えない樹液も根も、そしてそこに続いている永遠の命の美しさも、感じ入ることができるからだと思います。

人も同じです。
あなたの心に流れる想いが、あなたをあらわす花になって咲きます。

咲いても美しい、散っても美しい、流れる樹液も美しい、見えない根っこもきっと美しい。
そんな、桜のような人間になりたいなって思いました。

今夜も、あなたの最善最良をお祈りしています。






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