子どもの日

僕は子どもの頃、トムソーヤになることが夢でした。
彼のようになりたくて、幼なじみのハックルベリー・フィンと小さな冒険の日々を過ごしていました。
秘密基地をつくったり、森の中を探検したり、校区外という未知の世界へ旅をしたり。
いつか大人になる日が来ることを感じていたから、子どもとしての時間が大事でした。
もう、２１年も前のことです。

今、僕は少し歳をとり、少し背が伸びて、ネクタイをしてスーツをして日々を生きています。
でも、あの頃よりも大人になったのかはわかりません。
本当の大人とは、今を大切に生きることができる人だと知っているからです。
今を大切にすることは、その他の時間を台無しにすることではありません。
すべての「今」を大切にするということです。
同じく、目の前の人を大切にできる人が「大人」です。
それは、すべての目の前の人を大切にすることです。

そう思えば、大人になることそのものが、壮大な旅。
僕らはいつまでも、時を旅するトムソーヤです。

子どもの日は、僕らが旅をしていることを、ふっと想い出すための日なのかも知れません。
なあ、ハックルベリー・フィンもそう思うだろ？





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