心をくすぐる好きな②「時の流れに身を任せ」

時の流れに身を任せ。
あなたの色に染められ。
一度の人生、それさえ捨てることも構わない。
だからお願い、そばに置いてね。
今は、あなたしか愛せない。
♪

テレサテンの歌を聴くと、心が揺さぶれます。
遥か昔、幼い頃の寂しさを思い出すかのようです。

なぜか、歌詞以上の悲しさが胸を締め付けます。
彼女の曲は、幸せから去りゆく物語が多く、終わりの美しさを奏でています。
でもそれ以上に、些細な言葉のすべてを悲しみに濡らす魅力があります。
彼女は、かの国のスパイだったと言われています。
生まれながらに、自分の意思とは違う生き方があります。
だから、どの瞬間も、心はここに在らずだったかのようです。
秘密を背負って生きることは、悲しいことです。
生まれついて、悲しみを背負わらず得ないことは、さらに悲しいことです。
テレサテンが歌うと、どんな歌も哀歌に聴こえます。

悲しみは、慈しみでもあります。
だからたまに、無性に聴きたくなる時があります。
彼女の歌は、すべて好きです。
時の流れに身を任せることは、彼女の人生そのものでした。

一人の生き方では変えることのできない、未曽有の哀しみを背負った音色が、人の心を響かせます。
あなたの時の流れは、今も水面が輝いていますか？







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